2008/09/05

こわれゆく世界で

他のブログで書いてたのをこっちに移動。

2007年04月29日
再開発の進むロンドンが舞台、ジュード・ロウが建築家(!)
の役だということで、観てきました。

内容は触れず、ロンドンの再開発に触れてみます。
この映画を観た後買ったパンフレットで知ったのですが、
ロンドンとパリを3時間でつなぐユーロスターの駅、
ウォータルー駅が終点ではなくなるということでした!

パンフレットによると、大英博物館のすぐそばの、
セントパングラス駅につながるようですが、
パリからの国際客をせっかくなら大英博物館へ直結!
くらいな感じでしょうか。
さすが、ロンドン。都市計画が大胆です。

ということは、テムズ川の手前まで来ていたユーロスターが
地下へもぐるということでしょうか、川を渡るのでしょうか、
いずれにしても、テムズの北と南で鉄道の終着点が
わかれていたロンドンがまたひとつつながりますね。

さて。
映画に出てくる、ジュード・ロウの現場事務所は、
引っ越してすぐに空き巣に遭い、
コンピュータごとあっさり盗まれてしまいます。
しかも2度も。周辺はスラム化しているということで、
ロンドンの下町でも割りと治安のよくないエリアらしいのですが、
そこに都市計画家としてのジュード・ロウが
街を再生するという計画。

映画でも、PR用の”うそくさい”完成予想映像が流れ、
はめこみでジュード・ロウが再生計画を説明しています。
同じ業種に携わる者としては
うそくささがなんだか失笑でした・・・

そしてあろうことに、疲れた顔をした彼は
遠い目をしながらこういいます。
「運河を引き・・・適当に緑を散らす・・・」
おぉ!脚本家の方、わかってらっしゃる!

海運が廃れた現代では、川は単にドブでしかないのは、
東京の日本橋の下に淀むお堀だけではありません。
ロンドンでもそれは同じこと。
ということで、世界的に流行りなのかわかりませんが、
運河を再生して交通渋滞を緩和・・・とか、観光用に・・・とか。
見本はタイ、渋滞知らずのバンコクの水運でしょうか。


それからもうひとつ、個人的におかしかったのは、
できあがりの模型を前に空き巣調査の私服の警官?調査員?と、
現場の所長(ジュード・ロウの上司役)とジュード・ロウで、
三人でコーヒー片手に話しているシーン。

オモムロにコーヒーを模型の上に置いて、
別な机に向かって歩いていく警官に、
あわててコーヒーカップを取り除ける上司。
おい!大切な模型にコーヒー跡がつくじゃないか(*_*)
って感じでしょうか。笑えました。


空き巣の犯人である少年たちが身も軽々と
逃亡をくりひろげるシーンも、印象的です。
屋根伝いに走り、狭い水路脇を走り、
小さな路地を走り抜けて、
あっというまに消えていきます。
再開発されてしまうと、あのような、
魅力的な風景はなくなってしまうのでしょうね。

ちなみに、ピーターバラカン氏の文章によると
犯人の少年とその母、ジュリエットヴィノシュの住む
アパートメントですが、チャールズ皇太子が嫌い、
「美的価値のない近代建築のいい例」と言われる、
ロンドンでは悪名高きデザインだそうです。
えぇ!?日本ではよくありそうな(実際無いですけど)
デザインなんだけど・・・?

というわけで、内容とは全然関係ない話になりましたが、
今のロンドンの街と空気を知るに充分な感じがしました。

0 件のコメント:

コメントを投稿