2013/03/01

製図の課題、つらつらと

結論を出すつもりでも何でもないのですが。

ついったーは、いろんな人のぼやきや思いがひろえて面白いので、すっかりどっぷり。

LINEの面白さがちょっとわかってないので、いまのところついったー界におります(^_^;;)



ついったー界にいる同業異種の方のついーとを拝見してて、各人のゆるいつながりの中でいろいろと学ぶことも多いのですが。



これからほとんど需要がなくなると思われる美術館や小学校の設計課題を、いまどき大学で教える意義があるのか?

という問いかけが、ついったー経由ブログでもあったので、少し考えてしまいました。



大学での設計課題・・・

そうですねぇ。

別荘、集合住宅、事務所ビル、研修施設、植物園(とか、美術館・博物館系だったような?)くらいまでは、私の大学でもやったような。

私がいた大学では、確か劇場も教えてたような気がします。専門の先生がいらしたので。

でも、四年生以降の設計の授業はとらなかったような(能力がなく、とれなかった)記憶があるので、とても曖昧ですが。



一級建築士の勉強をしてしばらくは、国土交通省が求めている人材と、大学4年生で教えている内容と、ずいぶん乖離していような気がしてなりませんでしたが。

それでも、取得してみると、やっぱり大学4年間は、ケンチクと呼ばれる全範囲の中で、ごくごーーーーく基礎中の基礎の一部をやさしーーーく教えてくれてたような気もしなくもなく。

学科の勉強をしながら、あぁ、あの時大学のセンセーは、こんなことを教えてくださってたのね、ということも多々。

んー
それでも、やっぱりもちょっと大学の教育内容って、もう少し一級建築士の試験勉強でやるような内容であってもいいのではと思ったりもするんですが。



一方、国土交通省から毎年発表されて、10月に熾烈な争いが行われる製図の課題。

Nの営業さんが、面白いことを言ってました。

課題によって、クロウト受けする課題と、そうでない課題があると。

まぁ、ざっくり言って、コミュニティー施設系はいわゆるクロウト受けしやすい課題ではないかと思われます。

数年前に美術館課題が出ていたり、もう、図書館なんてそこら中にあるのに、それでもなお出題されました。


「需要がこの先なくなるから大学で教えなくてよい」という先の理論・・・


真っ向から国土交通省の一級建築士製図試験課題を否定しまくっちゃうことになるなーと、ちょっとにやにや。



確かに、時代の流れを読み解くチカラは、どの業界でも必要です。

私が学んでいたころの教授陣は、公共建築が唯一花形という思想で、商業建築はものすごい地位(?)が低かった。

長く残る建築の方がえらくて、数年おきにとっかえひっかえされる商業建築なんか、という向き。

だから、美術館・博物館系の展示系施設と、研修施設という名の宿泊系施設を、ケンチク基礎教養として設計の授業に取り入れてたのかも。



でも、あっと言う間に時代が変わって、表参道や銀座の一帯が海外ブランドの旗艦店だらけとなりました。


数年後に再会した教授は、苦虫を噛み潰したように「商業建築なんて」とぼやいてらっしゃいましたっけ・・・


その商業建築ブームも、あっと言う間に過ぎましたけれども。笑




そんな時代の流れの中で、同じ課題であっても、扱う機能・内容が全然違う。

H24年の図書館課題は、特に「これまでの図書館、という文脈から捉えた図書館」であっては、正解にはたどりつけなかった。


貸し出し前の資料を持ち込めるカフェ?

第一、このカフェ誰が運営するんだって。

司書Bar?笑


資料にコーヒーをこぼす、不特定多数のマナーの悪い客がいるのに?

従来の図書館を想定して、ひっかかってしまっては、図書館課題なんか解けない。

そこは、やはり金銭面とは関係なく、時代、時代で、同じ図書館と呼ばれるものでも、要求されるものが変わってきていることを、端的に現しているのかなと。



博物館しかり。

こんなアプリがあるんですよ、最近は。

http://www.tabroid.jp/app/multimedia/2013/02/jp.tnm.emuseum.html


大英博物館バージョンがあったら、みながうほうほ言ってDLすることでしょう。


サムソンがちょっと前に設立した韓国のLEEUMだって、建築家と美術品とサムソンの商品の、わかりやすいコラボレートです。

ハコという外見は一緒でも、展示内容とともに中身はどんどん変わっていってます。時代とともに。




明治以降取り入れられた、それまでの棟梁・大工文化とは違う、日本独特のケンチク学。

時代のパトロンを見抜いて、そのパトロンが儲かるようなものとしてのハコを作る。

それは、大学の4年間の授業内で伝えきるものなのか、私にはわかりません。



どちらにしても、やればやるほど、知っていなければならないことがたくさんあるということだなーと思うこの頃です。

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